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No.12「ラピスラズリから始まった「おうちワーク」」

ラピスラズリから始まった「おうちワーク」

エホノマコト

はじまりはフリマサイトだった。

 

ラピスラズリのピアスが欲しかったのだ。
小さめでかわいく、なるべく安いもの。

 

….なかなか見つからなかった。

 

やっと自分の希望に近いものが見つかった。1300円だった。

 

届いてみると「かわいいけど、これで1300円か….もう少し安ければあと1セット買えるのに。」と思った。

 

これがはじまりだったのだ。

 

「自分で作ればもう少し安く、何セットか作れるのではないか….」

 

ネットで検索してみるとたくさん出てくる「天然石」「ピアスパーツ」。

 

原価を計算してみると、もし私が作ってフリマサイトに出品すれば私が購入したピアスの半額の値段で販売できる。
しかも、ちゃんと利益を出せることがわかった。

 

天然石とピアスパーツを注文し、近所の100円ショップまで工具やラッピング用品を買いに走る。
とりあえずのショップ名、プロフィール写真を用意し出品した

「小さなラピスラズリのピアス」

出品して数日後、初めての購入者様。

 

今まで携わってきた接客業を活かし挨拶のメッセージを送信、商品と一緒にお礼文を書いたカードを同封する。

 

数日後購入者様より
「とても気に入りました。かわいいし値段もお手頃。また購入させていただきます。大変ご丁寧にありがとうございました。」というメッセージ。

 

今まで働いてきてきっと何百回も言い、また、言われてきた
「ありがとうございました」の何百倍も何千倍も嬉しい

「ありがとうございました」

だった。

 

それからローズクォーツ、ガーネットなど色々な天然石を仕入れピアスにして出品していく。

 

昼間の仕事を終え夕食をとった後、コーヒーを飲みながら次はどんなピアスを作ろうかと試行錯誤する。

 

「今どんな天然石が人気かな」
「シンプルだけど存在感のあるデザインにしよう」
「特別な日の特別なアクセサリーも作ってみよう」

 

窓から冷たい風が入り、遠くで猫の鳴き声がしている。
暗い部屋に灯るテーブルランプが私の顔と机に置かれたメモ帳を優しく照らす。

 

そして以前は退屈だった夜の時間がなんとも心地よい「私だけの特別な時間」に変わっていることに気付く。

 

「心地よい時間」
「特別な時間」

 

でもこの瞬間、私は仕事をしている。
「おうちワーク」をしているのだ。

 

顔は見えなくても私が作ったアクセサリーを通じ、お客様と会話し商品を届ける「おうちワーク」。

 

数年前に始めたこの「おうちワーク」も今では800名ほどのフォロワー様と数十名のリピーター様に支えられている。

 

「素敵なピアスをありがとうございました」と言われ胸が熱くなる。

 

そんな特別な「おうちワーク」を私は今日もやっている。

 

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