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No.2「伝えたい!おうちワークと私~障がい者男性一人暮らし頑張る計画編~」

伝えたい!おうちワークと私~障がい者男性一人暮らし頑張る計画編~

情報資格試験

私は40歳になる男性です。
私には障がいがあります。
まずはその半生をお聞きください。

 

田舎である地元の学校を出て、地元での就職を行いました。
仕事をしていく中で、大きなミスをしたり強く叱責されたりする中で
だんだんと体調を崩すようになっていきました。

 

会社としても大きなプロジェクトに関わるものの
その結果を出すことが出来ず、ついにメンタル面も不調になり
精神科を通院するようになりました。
仕事は休職、何とか復職できるよう治療に専念しましたが
戻る場所がまたあの強烈なプレッシャーの中にあるセクションかと思うと
激しく体調を崩し、デスクで卒倒するなど、動けなくなるほどでした。

 

結局、戻ることはできずにそのまま失職し
再就職に向けての病院のケア、プログラムを受けるようになりました。
その治療において、ケアワーカーさんのアドバイスもあり
障がい者手帳を取得して、障がい者となりました。

 

当時は、「自分がまさか障がい者?」と受け入れることはできませんでした。
ただ、これからの人生や働くことについて深く考えた時、
障がい者雇用という選択肢も増えるということに納得して
障がいというものを受け入れるようになりました。

 

ケアやプログラムの中で
障がい者アート、障がい者芸術などに触れ、そちらで自分を表現するようになりました。
思えば、対人関係であったり、自分の気持ちを伝えることが苦手であったり、
そのことをきっかけに、二次的にすれ違いや解釈違い、
コミュニケーションがうまくできないなど、仕事にも大きく影響していたんだよなあと思えてきました。
そんな中、障がい者アートは、伝えたくても伝えられない自分の思い、気持ちを乗せることができる手段だと
自分にとっては大きなものになっていきました。

 

障がい者になり、障がい者雇用で就職をするも
どんな仕事であっても、人と関わることのない仕事は存在しません。
そこでの同僚や上司との関係でも苦労し、
障がい者雇用であっても離転職を繰り返してしまうということがありました。


障がい者雇用としての仕事も自分はできないのかと、
当時はとても大きく失望し、途方に暮れていました。
それでも働かないわけにはいかないので、あらゆる仕事を探していきました。
リモートワークというものが当時、大きな動きとなっており
そういった働き方についても視野を広げて求職活動を行っていきました。

 

また、私は40歳にもなって、一人暮らしの経験がありません。
親も高齢で、かつ、親自身も障がいや、がんを患うなど
ゆくゆくやってくる一人暮らしができるような練習もしていきたい、
それについては、仕事が決まればアパートを借りて、
そこで仕事をするのは良いかもしれないと思うようになりました。

 

在宅、つまり、おうちワークも含めた就活の中で、
東京の会社と仕事のご縁が結ばれました。
おうちワークでの仕事をどのようにやっていこうかと考えた時、
仕事用ということで自宅の近くにアパートを借りて、そこで日中、仕事を行い
住まいのある実家へはお風呂と寝るために帰宅。
そしてまた朝から職場である、借りたアパートへ「出勤」する。
また、住まい・現住所を引っ越ししているわけではないので
通院している病院を転院する必要もなく、同じ主治医に診てもらうことができています。
どうにもしんどくて、八方塞がりになったとしても、住まい・現住所がある、という
支えの存在は、前向きに挑戦できる後ろ盾にもなっています。

 

アパートでの身の回りのことは、自分で決めて、こちらも頑張っています。
掃除、買い物、ご飯の準備…ご飯についても献立を考えるのがきつく、
かなり外食が立て込んでしまいますが、
それでもバランスのとれた食事をなんとか心掛けるよう努めています。

 

実のところ、本当に大変に感じるときも、たくさんあります。
一日仕事を終えたあと、ぐったりして、PCのあるデスクの下、
フローリングに横になって、しばらく動けなくなるときもあります。

 

障がい者を支援するする自治体のケアサポートなども検討しましたが、
もう少し頑張ってみようと思います。

仕事においても、障がいについてオープンにし
定期的な通院など「この点はどうしても難しい」と、出来ないことへの配慮を求めたり
「これは苦手であるが、こういうヘルプがあれば、ここまで出来る」という
出来ないことだけではなく、自分はここまではきちんと出来るということも
しっかりと伝え、それをしっかりと受け取ってもらえている。
またそれも、良い意味でお互いが深く入り込まない、という点でも
人間関係などで苦慮していた今までの就労体系から
大きく解放され、おかげさまで、このおうちワークを勤続1年を越えています。

 

少しずつ仕事のハードルをあげてもらい、これも日々悪戦苦闘する中ではあるけれど
漫然とスローペースで過ごす毎日ではなく、そこへは自身の成長も振り返ると感じられます。

 

自分を表現できる、障がい者アートについても継続して
こちらについても大きな大会で発表する機会がやってきて、
知事を前に作品の説明をする名誉をもらうことが出来ました。

 

このように、おうちワークという形をとって
一人暮らし、自活する力を養いながら
また自己の表現であるアート作品の創作も継続しながら
一歩ずつ、人よりは小さい歩幅ながら、前へ進めるようになってきています。
これからも、体調に十分注意しながら、がんばっていこうと思っています。

 

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